メンバー:N田(L)・W辺(レポート)
ほぼ一週間降り続いた雨が、この週末はお休みとなった。沢のシーズンイン、そして丹沢デビュー。しかも、2日続けて遡行できるというめったにない好機にこのお天気。どれほどまでに日頃の行いが良いのか…。
丹沢デビューのW辺に、事前に「ポイントごとに『どこ行くある?クイズ』を出すからね」と宣言し予習を促すN田さん。このままではまずい。遡行図を拡大コピーし、ネットからの情報などを書き入れ頭に入れる努力をする。「全問正解で鍋割山名物、鍋焼きうどんをご馳走!」を目指し、いざ入渓。
9:15 入渓:結構な水量に「ドキドキしていた」。
9:40 F1 7mで先行パーティーと会う。確保なしで登る人、出だしの悪さでずり落ちる人…またもや「ドキドキしていた」。左壁から登る。岩が斜めの層になっている。
10:10 続くF2 6m:ここは右壁を登る。ホールドは豊富だが、剥がれそうな脆い岩で慎重に行く。
10:45 F3 7m斜瀑。右壁を登る。
11:10 F4 2段:ここが私は一番怖かった。一段目を越え、上段に向かう土付きスラブが滑りそうで、怯む。「今滑って落ちたら…確保してくれているN田さんの所からの距離だと…水流の中(T_T)」マイナスイメージに囚われてなかなか足が出ない。えいやっ!とようやく一歩を踏み出しリーダーの元へ帰還。
その後は堰堤を5つほど超える。その中の一つで滑った。幸い土の溜まった所で足が止まる。数10㎝か1mくらいだったがずいぶん長く感じたなぁ…。顎を打って指先からは出血。ちょっと休憩して再出発!
リーダー、足速い…。
12:30 F5 12m 美しいお姿。リーダー、ちょっと高いですよ?水も多いし濡れてますよ?おや?巻道の方を向いていらっしゃる?賛成~…とはいかず。もちろん登りますよね(T_T)水流左を行く。
その後はゴルジュ帯の小滝をいくつか越え、突っ張りでドボンし、唇を噛む。
寒がりなリーダーは早々に尾根に上がりたく、大倉尾根1128m地点への詰めを狙っていたが、「ここかな?」というガレをちょっと迷ってパスして進み、結局花立山荘下部に出る詰めとなった。急なガレ場トラバース、アザミ地帯…。こんな牧歌的尾根に上がるまではちょっと大変だった。
15:15 花立山荘着。遡行終了の握手の後で、かき氷をいただき、下降シューズに履き替える。スパッツを外し、渓流シューズを脱ぎ、ネオプレーンソックスを脱いだ時…丸々パンパンに太ったヤマビルがポロリと落ちる。少々驚いたが、痛くもかゆくもないし、彼の身体の中には私の血液が満ちてるわけだし、なんだか愛着すら湧きそうになりながらその姿を眺めた。
15:40 山荘を出発し、鍋割山へ向かう。
16:28 鍋割山 残念ながら、鍋焼きうどんを出してもらえる時間には間に合わず。また次回のお楽しみとする。御年90歳の方の、丹沢昔話を聞かせていただいて16:55下山開始となった。
17:47 二俣に無事到着。
市街地まで下り、入浴施設で疲れを癒す。身体をチェックすると合わせて3か所のヒル被害痕あり。入浴後、リーダーから「頑張ったご褒美」が(^-^)!生ビール大ジョッキが手渡される。何と美味しかったことか!!
翌日のセドノ沢遡行のため、戸沢のキャンプ場まで行き、それぞれにテントを張る。リーダーの大きなテントでしばし酒を飲みつつ、本日の遡行の振り返りと翌日の予習。あれこれ話し続ける私に、「W辺さん、元気だね…」といかにも眠そうに呟いたリーダーを見て、自分のテントに引っ込む。
沢音に抱かれながらの幸福な眠りについた。
適度なプレッシャーで事前学習の機会をくれたこと、緊張する場面で「今その動きですか?!」という可笑しな腰の振りで笑わせて過緊張を防いでくれたこと、安全にリードして無事に丹沢デビューをさせてくれたこと、そして大ジョッキ。N田さん、本当にありがとうございました。