-阿寺の岩場- 2013.5.21
TEAM BOUSE-BOYS I隊長の檄により、平日、泣く泣く仕事を休み、行くこととなった。
なんでも、来月ロクスノに掲載されるので、その前に征服しておきたいとのこと。
大宮から約50キロ、1時間30分ほどで到着。
道路沿いにしっかりとした看板があり、仕切りがついた駐車場があるので、場所は迷うことはない。駐車場から岩場までのアプローチも5分ほどで、便利。
岩場の目の前に大きな看板があり、トポ図が張り付けてある。
駐車場代500円は、ここのポストの中に入れる。
着いて既に先客が・・・と思ったが、開拓者の大野さんだった。
ご挨拶をし、利用上のご注意を受ける。
作業をしているので、⑯あたりから右は登らないでねとのこと。
ヘルメットは必ず被るようにと。
なるほど、大野さんが鶴嘴で整備しているので、ガコンガコン大きな岩が上から落ちてくる。それに、まだ岩が安定していなので、岩がもろいらしい。
I隊長はヘルメットを持ってきていなかったが、俺の頭は岩をも砕くと。
I隊長がテンパイ煙草を吸い終わり、左から全部落とすという隊長の命令に従い、いざ出陣。
①、②は、ピンが2本の短いスラブのルート。見るからにツルリンしそうなスラブだが、傾斜が緩く、ところどころちょっとした割れ目がある。I隊長が軽く登り、小生も続く。久々のクライミングなので、動きがスムーズではなかったが、まあ軽く登ることができた。
次に③、I隊長は余裕のMOS。小生用にトップロープをセットして頂く。
すぐに登ると本日終了してしまう可能性があるので、I隊長の次の本気トライのテンパイ煙草に便乗して、一旦ベースで休憩することに。
そこでI隊長、大野さんより注意を受ける。ヘルメットを被りなさいと。しかし、I隊長は持っていない。その旨を話すと、大野さんが俺が貸してやるとのこと。車で5分くらいだから、俺の家から取ってきなと。お言葉に甘えて、ヘルメットをお借りした。
帰ってきて、少し時間が空いたので、本気トライ前のアップという名目で、⑦を隊長に登らせて、トップロープを張ってもらう。9でも安全第一な小生である。下部でも少々焦ったが、核心はバンドより上部。右サイドプルで立ちこむ一手と、その上の左甘いガバで左スタンスに立ちこんでいく二手。汗だくになりながら、なんとか登りきる。ロープが岩角で擦れるので、懸垂下降した。
さて、隊長の本気トライ④。ショッパナから、スタンスが崩れる。隊長、足から流血。
興奮しているから、それに気づかずトライ。核心部手前で、ボルト下の微妙なカチをみつけ、バランシーなトラバース。そして、上へ・・・というところで、右足が滑り、テンション。だがすぐ再開し、左上のカチを見つけ、みごと核心部を突破。そのまま余裕に終了点へ。目を光らせながら降りてきて、11aごときをOSできなかった悔しさと次はもうRP確定だという征服感の隊長に、小生は早く煙草を吸わせたい心境であった。
お前も早く登れよという威圧感を感じて、小生ビクゥとしながら、③に取りつく。
トポには書いてある・・・核心部はないと。ありました。小生にはアリマシタ。中部に。
甘いホールドしかなく、立ち込めない。約10トライくらいしても越えられず、撤退。
隊長の怒りをさけるため、とりあえず何か食べてもらう。
落ち着いたところで、隊長④トライ。もちろん、みごとRP。
次は小生。③やっぱり、核心越えられず。見かねた隊長が、俺が登るから見とけと。
なるほど、小生が使わなかったホールドを教えてくれた。右に縦に走る第一関節が少しかかるようなちょっとした割れ目を使っていた。左手は、カチ。小生は両方とも使わず、違うホールドをマッチしたりして苦労していた。なるほどこれならいけそうかな。
隊長が降りてきて、すぐさま小生が登る。一旦やってみるが失敗。また違うのを試して失敗。やっぱり、隊長のやり方しかないかなと思い、再トライ。なんとか、左足に乗り込んで立ちこむことに成功。みごと核心を突破できた。隊長、ありがとうございましたー。
一旦休憩し、隊長が⑬⑭をトライ。⑬は、隊長、またスタンスを破壊。しかし、そのまま軽く登っていく。降りてきて、お前でも登れるよと言われたが、10bcだったので、とりあえずお断りした。余裕の隊長は、そのまま⑭も軽く登った。
少々暗くなってきたので、とりあえずヌンチャク回収しなければと、小生⑦をRP。上部がやはり辛かったが、なんとか登れた。隊長に殴られないでよかった。
あとは、⑥⑧を登って終了。17:30くらいになっていた。
帰りがけ、大野さんにコーヒーでも飲んでいけとお声をかけて頂いていたので、ご自宅の秘密小屋にお邪魔した。小生は運転手なのでコーヒーを頂き、隊長はビールを頂いていた。大野さんの岩場開拓の苦労話や、山の話など色々とお話が聞けてよかった。大野さんとしては、アルパインクライマーのための良い練習場にしたいとのこと。それで今、マルチピッチのロープワークができるルートを開拓中とのこと。ここで練習して、将来世界の山を登るクライマーを見届けることが楽しみらしい。本人も未だ現役。いやー、素晴らしい。
最後に、クライミング自体久しぶりだったので、貸切でのびのびとできて楽しめてよかった。
岩場は、やはり新しいためか、脆い部分があり、砂や石はしょっちゅう落ちてきた。ヘルメットは、必需品。
大野さんからも厳しく言われたので、阿寺の岩場へ行かれる方は、必ずヘルメットを持参してください。