2017/8/4ー6
K子の2017年花の山旅の締めくくりに、北アルプス朝日岳に行ってきました。
花がすんばらしかった~。縦走路がおもしろかった~。
礼文は花そのものを楽しむ旅でしたが、朝日岳の縦走は花を鑑賞しながら、本格的な山岳縦走を楽しめた大満足の山行となりました。
8/3(木) 蓮華温泉駐車場にて車中泊。2時到着時点でほぼ満車。木曜なのに~
8/4(金)5時半出発。 白馬大池から白馬岳へ1時頃着。頂上宿舎テン場泊。
8/5(土)4時半出発。 三国境から雪倉岳。
水平じゃない「水平道」通って、1時に朝日小屋着。テン場泊。
8/6(日)4時50分出発。 朝日小屋から朝日岳へ。
下山しますが、最後に標高差300m登って、蓮華温泉12時半着。
参加者;K子(リーダー&レポート)、Y朗(花の名前を教えてくれる係)
8/4 8時40分頃 白馬大池着。着いたとたんに花畑が広がる。
今年は雪が多く、雪解けが遅いからか、春の花~初秋の花がいっぺんに楽しめた山行となりました。
これからの3日間、チングルマとコザクラは雪渓脇にいっぱいでてきます。大好きな花なので全く飽きない。
大池から白馬岳への道は、NHKドラマ「坂の上の雲」のエンディング映像で使われた稜線。
阿部寛とモっくんを思い浮かべながら歩きます(決して二人が歩いてた映像ではないですが)。
小蓮華岳へやってきました。
荷物軽量化のため白馬山荘でお昼をとる。Y朗はカレー、K子は珍しく食欲がなくケーキセットで済ます。K子ちょっと体調がいまいちで・・。
頂上宿舎の雪渓脇にウルップソウの群生地がありました。
8月にウルップソウを楽しめるなんて!! 雪解けが遅かったからですね。
頂上宿舎のテン場は、天狗山荘が営業していないので混み混みと思いきや、あまり混んでおらず、ちょっと拍子抜け。そういえば、昨年、白馬登った時より登山者も少なかった気がする。台風の影響か、あるいはやはり登山人口が減少してるせいなのか・・・?
テン場の回りの斜面はお花畑になっていた。
テン場は酒に酔っていつまでもしゃべっている迷惑な登山者もいなくて、K子耳栓もせずに、ぐっすり眠ることが出来た。
8/5(土)4時半出発。K子元気になり、やる気満々!!
ガスがはれていく。
今日は天気が良い。穂高から立山、そして大好きな剱がはっきりと見える。
時間を合わせたわけではないがご来光を拝む。
白馬は3回目ですが、初めてガスのかからない山頂でのご来光が見れました。
白馬らしいシルエットです。
今日は、白馬岳頂上を通り、三国境まで戻ります。ちなみに三国とは、長野県(信濃)、新潟県(越後)、富山県(越中)です。
そして、花も太陽の光をいっぱい浴びてきれいです。はあ~しあわせ~!
今から歩く縦走路が見えてきた。
左の小山は鉢ケ岳、ここは頂上は行かずにトラバースします。
右側が雪倉岳、その奥の真ん中の山が朝日岳です。Y朗とK子共に未踏の道です。
朝日岳は昨年、K子が白馬岳に登り、単独行の女性二人から花がすごいし、とてもよい道だと教えてもらい、いつか行ってみたいと思っていた縦走路だった。
三国境からガレ場を下っていきます。憧れの縦走路に足を踏み入れます。
雪渓を登り切ると、雪倉岳避難小屋のある鞍部の平原にでました。
この縦走路、予想しえない風景が現われておもしろい。
そして、本当に花が多い!! タカネコウリンカという珍しい花も咲いていました。
雪倉岳避難小屋でトイレを借りました。小屋番さんが掃除をしていて、トイレも小屋の中にありとてもきれいでした。ここに泊りたくなる気持ちもわかりました。でも、朝日小屋のホームページでも「あくまでも緊急時の使用を!」という注意喚起がなされておりました。
いよいよ雪倉岳へ約1時間の登りです。
暑いな~と思っていたら、時折、ガスに覆われ、涼しくなるので、こういう時はガスるのもありがたい。
雪倉岳の頂上からはガレ場の道を約400m下り、お花畑をトラバースしてまた100mほど小石まじりの道を下るのですが、下りが長い長い。Y朗も珍しく疲れたみたいで、「逆ルートでこの道登るの嫌だな~。」と言っていました。
この道はガスっていたら迷いそうですが、要所要所赤ペンキで印がつけられていて、歩きやすいです。整備してくれる人がいるから、山に来れるし、お花も見れるし、本当にありいがたいなあと感じながら下っていました。
そして、トラバース道はまた植生が変わります。ここはお花畑が広がっています。
水場に近づいてきました。
山の深部に来ると、山と一体となるというか、そんな気持ちにさせられる。
特にこの道は歩く人が少ないからか、山との一体感をいっそう感じることができた。
水場からは1時間ほど緩く登っていきます。この道は始め樹林帯と思いきや、岩場が出てきたり、いきなり湿原が現われたりして、飽きさせません。
少しルートバンっぽいなと思いました。トラバース道を行くという点からだけですが。
そして、K子が一番テンションが上がったのが「小桜ケ原」です。
その名のとおり、ハクサンコザクラやチングルマが群生しているのです。
そして、いよいよ、朝日岳頂上への道と「水平道」への分岐にやってきました。
迷わず水平道を選択! でも、水平道とは名ばかりで・・・。
水平道は雪がようやく融け、開通したてなので雪渓を何個も通過しました。雪渓から流れる頭がキーンとするほどの冷たい水を飲むと、疲れている体が元気を取り戻します!!
あらかじめY朗から「水平道とは言っても、水平じゃないいからね」とは言われていたものの、想像以上に登り下りがあり、行程後半に来てのアップダウンは心身ともにしんどいです。
K子はこんなにアップダウンあるなら、朝日岳に直登したほうが楽だったのではないかと思ったくらいでした。後に小屋でお話しした健脚のご夫婦も同じこと言ってました。
雪解け後間もないからか、道の脇にはハクサンコザクラがずっと咲いています。キヌガサソウや水芭蕉、クレソン、サンカヨウ等本当に色んな花が顔を見せました。
やっとこさ、小屋近くになって、本当に水平道っぽい道となる。
朝日小屋は、玄人好みの落ち着いた小屋でした。テン泊でも食事の提供をしてくれて、おいしくて有名。テントの3割くらいは小屋で夕食をとっていました。うちは、Y朗シェフの作るK子大好き「マッサマンカレー」とキリンの一番搾り。昨日は体調悪くビールを飲めなかったのでビール旨い!!
K子は「なんて幸せなんだろう」ささやかながら贅沢な時をかみしめました。
夕食後、仙台から来ていたご夫婦と朝日岳方面遭対協の方と少しお話した。
仙台夫婦は仕事はリタイヤされて悠々自適生活という登山歴50年以上のベテランで、今日は大池からうちらとほぼ同時刻に到着しているかなりの健脚。明日以降は栂海新道を下るとのこと。この小屋に泊まる登山者の半数以上の目的は、栂海新道を下るという人が多く、皆、健脚で山慣れしてる人が多い。そういう点で浮足立った登山者とかいない、あっそういや1名酔っ払いがいたが・・就寝時間には静かになっていた。
小屋の雰囲気が落ち着いていて、K子はこの小屋、そしてこの朝日小屋までの行程にとても心地よさを感じていた。ただ、それだけではなかったようだ。
遭対協の方の話を聞いていると、この山をすごく大事に思っていることが感じられた。道標も細かく付けて、木道も適宜付け替えているとのこと。また、水平道のことも「最初と最後の標高が同じという意味では水平なんだよ~。」と笑いながら、本当の水平道を目指すべく、今、道を作っているとのこと。
K子は、こういう人の思いがあるから、自分はこんなにも素晴らしいお花を楽しむことが出来ているんだとあらためて、感謝の気持ちでいっぱいになった。
こういう記録のようなレポート書いといてなんですが(まあ本来それがレポートの目的だけど)。私が山を振り返る時に重要と思うのは、どこを歩いたとか、何を見たではなくて、そこで何を感じたかなんですよね~。
今回感じたのは「山を思う気持ち」かな?レポートでは表現できないけどね~。
余談ですが、仙台のご夫婦も花好きで、雪割草(オオミスミソウ)を見に佐渡には6回行ってるとのこと。佐渡ってどんだけすごいのだろうとK子の佐渡への気持ちがさらに深まる!!
8月6日(日)
栂海新道組は2時頃から動き始め、朝食の頃にはテント泊の7割は出発していた。
霧がたちこめていた。今日天気よくないようだ。台風近づいてることすっかり忘れてた。
K子は縦走で雨に降られるの嫌いでない。晴れ狙って日帰り登山ばかりするより、多少の雨予報でも山の深部に入れる縦走がいい!まあY朗に荷物持ってもらうから出来るんだけどねエヘ!旦那様には感謝です!
朝日岳頂上は平原になっていた。ガスの中、一瞬白馬、雪倉が見えたが、ほぼ白い世界。
雲の隙間から後光が指していると思ったら、ガスが晴れ、雪渓と花畑が現れる。太陽の光の筋がなんとも幻想的で、思わず足が止まった。
栂海新道への分岐を過ぎたら、下り基調の雪渓が出てきた。ガスで先が見えないが、先行者は皆アイゼン着けてる。K子もアイゼン付けたいと思ったが、Y朗がいらないと言うのでビビりながら進む(何度も言うが、K子は以前シリセードして止まらず崖に落ちそうになって以来、下り斜面が恐い)。でも凍っているところなく大丈夫だった。
雪渓を渡るとガスが薄くなり、広大なお花畑が現れた。花もきれいだが、少しガスっているのがこれまた幻想的で、ここは天国のようだった。
朝日岳自体に花はあまりないと思ってたが、今日の道は花畑が多く、チングルマとゴザクラを死ぬほど見た!その度にこんな細っちい小さな花が、雪の中から毎年毎年、きれいな花を咲かせることに自然の力強さを感じずにはいられなかった。
その後、高度下げながら、湿原が出てきたり、日本庭園みたいな場所を通過する。
途中に礼文で見た「サクラソウモドキ」がいた。なんだ本州でも見れるのね~と、家に帰って調べたら。「オオサクラソウ」だった。この二つの花は花びらの色から葉っぱまでそっくりで、見分けるには花が開いているかぐらい。K子は本家のオオサクラソウを知らなかったので、だから礼文の花はサクラソウもどきだったのね~と気づく。改めてほぼ同じなのに、もどきなんて付けられてかわいそうと思いました。
まあ、こう並べると違うかな・・。
でも現場で見た時は全くわからなかった。
その後、樹林のトラバース道を過ぎたら、前方が広く見渡せる草原が出現した。
またまた予想しない風景に感動する。
そして、ここで雪割草を初めてみました。ゴザクラより更に可憐でかわゆい~。
(コザクラの半分くらいの大きさです)
はあ~朝日岳本当に花すごくて、ここだけの話、礼文よりすごいかも!
木道脇には、わたすげとキンレイカが咲いてます。
一方、右に目を向けると、遠い山に小屋が見える。あれどこの小屋だろうと思っていたら、あれが蓮華温泉のようだ。ひえ~。噂では聞いていた。この道は沢まで下った後に、蓮華温泉迄標高差300mの登り返しがあるのだ。
2つ目の沢まで下り切りました。これから登りです。
予想通り登りしんどい。しかも暑くて蒸し風呂のようだ。
でも山はご褒美をくれました。
兵馬平に来たらピンクの花畑が広がっていました。この山は最後の最後まで、花で溢れた道をプレゼントしてくれました。
朝日岳がこんな素晴らしい山だとは知らなかった。
こんな楽しい道を歩かしてくれて、道を整備してくれた小屋の方・遭対協の皆様、花の名前を教えてくれる旦那様、そして何よりも『山』に感謝致します。
ありがとうございました。